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イケない秘め事
第19章 診察日
衝撃的なショックさ。事前に聞いてはいたが、改めて聞くと、やはり…。

「愛美ちゃんは、お兄ちゃんが好きなんだね。お兄ちゃんのどこが好きかな?」
「ん~、愛美をギュッてしてくれるし、頭撫でてくれる。勉強もみてくれる。色々話も聞いてくれる。お兄ちゃんが、いなくなってからママもパパも愛美の話を聞いてくれなかった。」
「じゃ、愛美ちゃんが好きなことはなにかな?」
「お兄ちゃんと一緒に寝ること。」
「えっ?」

医師と看護師が俺を見る。

「だって、愛美がちゃんと眠るまで、背中を叩いてくれるから。」
「あっ、そうゆうことか。驚いちゃったよ。」

俺も、正直焦った。

「記憶の方は、まだ前後ありますが、焦らないでいきましょう。愛美ちゃん、またね。」

愛美が、先生と看護師に手を振る。俺は、頭を下げて、診察室を出た。

俺は、車に乗り込んだ。

「愛美、苦しかっただろ?俺の前では、我慢しなくていいからな。」
「我慢?してないよ。なんでも、お兄ちゃんには言ってるし。」
「あぁ、そうだなぁ。愛美、腹減ったか?」
「ちょっとかな?」
「食べに行くか?」
「オムライス食べたい。」
「好きだなぁ。愛美は、オムライスで出来てるのか。」
「ひっどぉ~い!!」

通り沿いに洋食屋があったので、そこにした。
席につくと、愛美は、メニューに目を通して、

「あっ!これがいい。」

シーフードオムライス。
旨そうだな。
注文し、運ばれてくるまで、色々な話を聞いた。
俺は、聞きたい事はあったが、聞いたら愛美がまたおかしくなりそうで、怖くて聞けなかった。

でも、愛美は、ちょっとずつではあるが、記憶を取り戻してはいる。今の環境がいいのだろうか?
でも、先の事を考えれば、今の住まいよりも広い住まいの方がいいだろう。

「なぁ、愛美?」
「なぁに?」
「今のアパートってさ、部屋が2つしかねぇだろ?愛美だってさ、自分の部屋欲しいだろ?」
コクン…
「最近の愛美は、いい子だから、そろそろ引っ越そうと思うんだけど、嫌か?お隣さんとは、離れちゃうけど。」
「ううん。愛美、お兄ちゃんがいれば、どこでもいいよ。」
「これまで通り、病院にも送ってくし、学校にも行けれるようになれば、送ってく。」
「うん。お兄ちゃん、帰ってくる?愛美を一人にしない?」
「しないよ。仕事で、帰りが遅くなる時もあるけど。いいか?」
コクン…


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