この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
余熱
第1章 崩れる

さらに気付いてしまったことがある。

昨日のあの瞬間に、荒波によって一瞬で崩されたお城ーー。

あれはきっと、何でも言い合える、気を遣わなくてよい、祐との関係だったのだ。

一つ嘘をついてしまうと、それをかばうようにして、次々と嘘をつかなければいけなくなる。

学校からわたしたちのマンションまで帰る約20分間。

わたしは祐の前なのに素直なわたしでいられなかった。

何個嘘をついてしまったか考えると、自己嫌悪の沼に溺れてしまいそうだ。

言おうと思っていた自分の気持ちも、言えなかった。言えるわけがなかった。

急にその気持ちに自信がなくなってしまったのだ。

祐のお母さんが作ってくれた中華料理も、全然美味しく感じられなかった。

一昨日まで当たり前だったことが、静止画になって、色褪せて、ぺりぺりと剥がれていく。

ーーああ、もうだめだ、崩れてしまったんだ。

/132ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ