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余熱
第3章 重なる

シャワーの水音を聞き流しながら、十三年前のあの月夜の幻を思い出し、自分を慰める。

そうでもしないと勃起しないほどにまで、今もなお続く水美との関係には飽ききっていた。


あの夜を境に、何度か彼女の秘部を愛でた。

俺は、それでよかった。

ただそれだけで、よかったのだ。

月の光に照らされ、快楽に身を揺らめかせ、こらきれずに漏れてしまうな喘ぎ声で乱れる姿ーー。

その姿だけで、充分だった。

その姿を作り出しているのが自分だという事実だけで、満足だった。


性交のクライマックスは挿入だということは知っていた。

自分の中で、彼女の秘部への愛撫というのは極上で、それすらも凌駕する行為のなのか思うと、期待せずにはいられなかった。

初めて彼女の中に入ったのは、お互いが高校生になってからだった。

いつものように執拗なまでに秘部を愛撫していると、


「…んっ…

ねぇ…高田くん、もういいから」


その頃の彼女は、あの夜とは違って、ちょっとやそっとの愛撫では痙攣してくれなくなっていた。

頭上から呆れたような冷たい声が落ちてくる。


「…いい加減、挿れて。」
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