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余熱
第3章 重なる

先輩は誘いながら、俺の股間に触れた。

そして艶然と微笑みながら、こんな言葉をよこした。


「ふふっ、もうこんなになってるけど?

挿れたくて仕方なかったんだったら、もっと早いうちからそうしてくれたってよかったのに。」


このように挑発されたのは初めてで、思わずたじろいでしまう。

彼女はそんな俺の学ランのズボンを、どこか慣れた手つきで脱がしていく。

ーー電球がその寿命を終えるように、何かがすうっと冷めて、消えていく。

視界がぐらりと揺らぎ、女が俺に跨がる。

そして自身の秘部を俺に当てがう。

熟れた果実のようになったその秘部は、音を立てながら、俺を飲み込んでいく。

女は、恍惚とした表情を浮かべ、歓喜の声を上げる。

そして自ら腰を動かし、天を仰ぎながら、叫ぶように喘いだ。


ーーああ、違う。

泡立っていた血液のあぶくが、ぷつりと弾けて、消えた。

そして、夜のしじまのように静かに悟った。

俺は、水美ではなく、あの月夜の少女に溺れているのだとーー。
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