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余熱
第5章 痺れる

生徒が二度塾に来なかったら補習ーー。

その制度の存在を知った時、これだ、と思った。

森 葉月が塾を二度休めば、補習を口実に二人きりになれる。

多少無理矢理にでも、彼女に快楽を教えてしまえば、あとはこっちのものだ。

そして俺の思惑通り、彼女は塾に二度来なかった。

おそらく、あの日初めて身に起こった異変に苦しんでいるのだろう。

そして、それが俺のせいだということだけは辛うじて分かるため、俺に会うのを避けようと欠席したのだろう。


なんて、いじらしい。

今すぐにでも“補習”をしたい。


その欲は、電話越しの彼女の声や反応に煽られた。

思わず口が滑ったが、決して冗談ではなかった。

しかし、彼女は狼狽えつつも流されることはなかった。

ーー声だけだと流されないんだな。

きっと、情欲をたっぷり込めた目で見つめ、やわやわと体に触れれば、簡単に流される。流してやるーー。

そして、“補習”は金曜日の授業の後に決まった。


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