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余熱
第6章 嵌まる
森 葉月の荷物と自分の荷物を抱え、急いで車へ戻った。
助手席の窓から覗くと、彼女はまだすやすやと眠っているようだった。
後部座席に荷物を置き、運転席に乗り込み、エンジンをかける。
ふと隣に目をやると、彼女は唸りながら目を覚ましていた。
「ん…先生…?」
寝起きのぼんやりした彼女もまた魅力的だった。
「覚えてないの?」
そう尋ねながら発車し、塾を後にした。
「……お、思い出しました。」
俯き、小さな声で答える彼女。
彼女の些細な仕草や振る舞いに、いちいちそそられる。
下川先生とのこともあり、激しく興奮していたので、欲望がどんどん煽られていく。
すると、
「あの…わたしの家、こっちじゃないです…さっきの交差点を右に曲がらなきゃいけなくて…」
戸惑う彼女を遮る。
「ああ、今向かってるの、俺の家。
…今日は…もう帰せないから…
親御さんには…そうだな、あの幼なじみの家に泊まるとでも、今のうちに連絡しといて。」
いつになくよく回る舌に自分でも驚く。
興奮は既に自分の知らない領域にまで達していた。
彼女は両手を心臓のあたりで重ね、下唇を噛みながら、黙り込んでいた。
そして程なくして、車は俺のマンションへと到着した。