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余熱
第7章 火照る
「……づき!葉月!」
「……えっ…あ…ごめん…何の話だっけ。」
まただ。
また、ぼんやりとしていた。
あの夜、そしてあの朝以来、
ふと気が抜けると、先生とのことを思い出してしまう。
だめだ、こんなの絶対だめだーー。
いくらそう思っても、
あんな射抜くような眼差しを向けられてしまったら、
あんなとびきり甘い声で名前を呼ばれてしまったらーー。
たまらなくなって、先生の胸元に縋った。
それから、口内を蹂躙され、追い詰められ、
あそこからは体液が何度も溢れ出た。
白い光が目の前で何度も爆ぜた。
脳が、体が、心が、何もかもを克明に覚えている。
先生の甘くて凶暴な仕打ちも、
その後侵入してきた強烈な痛みと快感もーー。
でも何よりも覚えているのは、
翌朝、夢か現実かも分からないまま見た先生の顔、
初めて聞く、今にも消えてしまいそうなほど切なく上ずった声、
そして、どこか苦いキスだった。