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余熱
第7章 火照る

わたしは祐を自室に通した。

父も母も忙しく働いているわたしの家は、生活感があまりない。

そんな家の中でも、唯一辛うじて生活感があるのがわたしの部屋であり、本来は落ち着ける場所だ。

でも今はその生活感が払拭され、まるで新築マンションのモデルルームにでも来たかのような緊張感が、そこには充満していた。

「…の、飲み物、持ってくるね!」

その空気に耐えられず、一先ずリビングに逃げようとしたところ、


「…いいから」


部屋のドアに押し付けられ、後頭部を打つと、軽い酩酊を覚えた。


「ちょっ…ゆ…っん」


抵抗むなしく、重ねられた唇。


ぶつけた後頭部と、なぜか右肩のあたりに、ぴりっと甘い痛みを感じた。


祐とキスをしているというのに、

先生とのキス、さらにその先を思い出してしまい、体が火照っていく。


そんな自分に嫌気がさしたが、

その一方で、先生のことを想うといつも燻るところとは違うところにも、微かに熱の存在を感じた。


この熱は、何?


それは、先生に与えられた熱よりも、

もっと深いところに眠っている。


わたしは、何か、大事なことを忘れてしまっているーー?


そんな気がしてならなかった。


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