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光と首輪、絡まる鎖
第5章 海
「こはるちゃん」
千恵美さんに呼ばれた。
「はい」
「車の中に紙皿置いてきちゃったみたいで、
持ってきてもらってもいいかな?」
「はい、行ってきます」
「ありがとう、はい鍵」
そう言ってパーカーのポケットから
車の鍵を出して渡してくれた。
光さんの、車の、鍵を・・・。
光さんの彼女なんだから
光さんの車の鍵を持っていたっていい。
そんなの当たり前だ。
でもパーカーのポケットから出すなんて、
なぜか胸がズキズキした。
それがいつも、当たり前、みたいなかんじで
普通にポケットから出したのがショックだった。