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光と首輪、絡まる鎖
第9章 過去
「こはる、おいで」
賢児さんの手に引かれて、車の外に出る。
手を繋いだまま、ゆっくりと階段を上った。
夜景が綺麗に見える場所に
木で出来たようなベンチがあって、
繋いでいた手を離して
そこに2人で腰を下ろした。
「こはる、俺が何かした?それとも光?
言ってくれなきゃ、わからないよ」
言ってくれなきゃわからないって、
それは賢児さんでしょう?
「賢児さんだって、言ってくれなきゃ、
わからないよ・・・」
「ごめん、何のことを言ってるのかわからない」
賢児さんは、
光さんから何も聞いてないんだ。
「・・・賢児さんって、結婚、してたの・・・?」
「・・・光に、聞いたの?」
「・・・うん」
賢児さんはそのまま、何も言わなくなった。