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光と首輪、絡まる鎖
第9章 過去
「場所、移動しようか」
そう言われて、賢児さんは
わたしをこのまま帰してくれないんだと思った。
ちゃんと話をしなきゃいけない。
なんでわたしが連絡しなかったのか。
賢児さんは本当に結婚しているのか、
ちゃんと、聞かなきゃいけない。
しばらく車を走らせると
見たことのある坂道に入った。
そのまま坂道を上り車を走らせると、
暗くてわかりにくいけど、
前に光さんに連れて来てもらった場所に着いた。
光さんに車の中で抱かれたことを思い出し、
賢児さんに謝ることがわたしにもあると思うと
また涙が出てきてどうしたらいいのかわからない。
賢児さんは車から出ると
助手席のドアを外から開けてきた。