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光と首輪、絡まる鎖
第9章 過去
「彼女は今まで俺のことなんて放っておいたくせに
急に激怒して、別れないと言って家を出ていった。
それでも俺は毎日話をして、やっと離婚が決まった。
だから離婚してまだ1年は経っていないけど、
今は独身になった。こはるしかいない。
でもこの事実を言う勇気が、ずっと出なかったんだ。
こはるを失ったらどうしようって、
あの日、俺が好きだと言って泣いてくれた
こはるの顔を思い出して、秘密にしようと思った。
いつかは言わなきゃって思いながら、俺は逃げたんだ」
賢児さんは、最後のほうは泣きながら
ちゃんと話をしてくれた。
そんな賢児さんが愛しくて
握られていた手を離して
賢児さんの体をそっと抱きしめた。
そんなわたしをぎゅーっと抱きしめ返して
「こはる・・・本当にごめん」
って囁いた。