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HOTEL・LOVE
第2章 理由
結婚して7年。
まだ35歳、でももう35歳。
40歳になって出産する人もいるけれど、
自分はそこまでがんばれる自信がない。
そこからの子育ては大変だろうし、
すでに今、
気持ちがなえてしまっているし・・
できなければ
それは運命なのだと
受け入れる心の準備を
し始めよう・・
結婚5年目を迎えた頃には、
そう香澄の中で
気持ちの整理が進んできた。
そんな中での
いたわりに欠ける夫とのセックスに、
だんだん感じられなくなってしまった。
指を入れられれば濡れるし、
挿入されれば
声を張り上げるけど、
どこか空々しい
演技をしているような瞬間を感じる。
ほんとうは
意識なんかとんでなんかいないのに
とんだふりをしているような・・
必要以上にひろげる足も
なんだかわざとらしいんじゃないかと・・
亮太とやってる時よりも、
静かな昼下がりに一人
自分を慰めている時の方が
感じられる。
パソコンの画面の中で見せびらかしてくれる
アダルトサイトの
男と女の動きを見ている方が
しっかりと潤える。
香澄の心はだんだんと、
その一部分が
壊れ始めてしまった。