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第2章 理由

香澄夫婦には

子供がいない。

いらないわけじゃない。

子供は欲しいのだができないのだ。


夫婦に営みは

きちんとある。


香澄が嫌がるような時でも

亮太は平気で足をひろげ

中に突き刺し放出する。



「こんだけやってんのに

　なんでできないんだろうな」



目的を果たし硬さを失い、

だらんとした男を

ティッシュで拭きながら

無神経な一言を口にされるたびに、

香澄は心の中で舌打ちする。


・・私のせいかよ！

　　あんたが種無しなんじゃないの？・・


ムカつくたびに

そう叫びそうになるが、

香澄はそんな無神経な事は

決して言うまい、と

歯を食いしばる。


夫婦であっても

傷つけるようなことは言いたくない。

ましてや根拠のない事を

平気で口になどしたくはない。


だけど・・