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HOTEL・LOVE
第15章 小さいけれど感じる幸せ
土曜日。

通用口で晴樹と一緒になった。



「おはようございます」



その挨拶は相変わらずだけど、

声の色と目元の明るさは、今までとは違う。

特別なものになってしまった。

もう元通りにはならない・・



「おはようございます。あ・・日曜日は・・

 ありがとう。楽しかったね」



晴樹と会ったらいつも通りに、そう自分に言い聞かせていたけど

そう簡単にはいかない。

互いのすべてをみせあってしまったのだから。

いつも通りなんて無理な話だ。

心臓は破裂しそうなほど、大きな収縮を繰り返す。



「よかった、そう言ってもらえて・・

 今日も一日、よろしくお願いします、先輩!」



精いっぱい普通にふるまう晴樹に、

香澄もちゃんと応えようと、気取らず返す。



「じゃあ後輩、たのんだよ!」



甲高い笑い声をあげながらそれぞれの更衣室のドアを開けた。
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