この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
HOTEL・LOVE
第15章 小さいけれど感じる幸せ
なんでもない事にも心は跳ねる。
香澄をこの手の中に包んでから、
晴樹はおだやかな時間しか感じなかった。
もしかしたらやっかいな、薄暗い時間もあったのかもしれないが、
そういうマイナスな部分がマイナスに見えないくらい、
心が澄んでいた。
覚悟を決めた、なんてかっこいい事言っちゃって・・
と自分を笑ってみたりする。
ほんとうの覚悟がどんなものなのか、
その深刻さまでは考え付かないが、
妻以外の女を愛するということを止めようとは思わない。
いけるとこまで行ってみよう・・
たとえそれが地獄の果てでも・・
なにを大げさな・・また自分を笑ってみる。
でも今は、なにを言っても軌道修正はできない。
熱が冷めるまで、それかもうだめだという限界がくるまで、
この気持ちは止まらない、と晴樹はわかっていた。