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HOTEL・LOVE
第16章 叶わぬ2度目


部屋に入りドアに鍵をかけた次の瞬間には

2人はしっかりと抱き合っていた。

力をこめて香澄の体を抱きしめる。

この時まで我慢していた愛情をめいっぱいそそぐため、

回した腕にも力が入る。


待っていた・・この時を・・


香澄も喜びに浸ったが、強い圧力に再び吐き気が戻ってきてしまった。


慌てて晴樹から体を離し、トイレへと駆け込む。

水を流しながら、少し、吐いてしまった。


・・どうしたんだろう・・風邪かな・・それとも胃腸炎とか・・なんだろう・・


口の中に広がる不快感を早く取り除きたい。

それでもしばらくトイレの中に座り込んで

吐き気が治まるまで体を落ち着かせた。


晴樹がトイレの扉をノックする。



「香澄・・大丈夫か?」


「・・うん、今出る・・」



一拍おいてから扉があき、青ざめた顔の香澄が

ふらつきながら出てきた。

両手を差し出し香澄の体を抱きとめるようにして

ベッドに連れていこうとすると、ちょっと待ってと

香澄は洗面所で口をゆすいだ。
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