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HOTEL・LOVE
第18章 突然告げられた別れ
駅の反対側にある、広々としてあまり客のいない
昔ながらの喫茶店に入った。
窓際の一段高くなった場所にある席は、
まわりの席からは離れているので秘密の話にはもってこいだ。
これで心置きなく話ができる。
注文したケーキセットがくるまで、
香澄は黙って窓の外を見つめていた。
テーブルの上にケーキが2つと、
コーヒーとレモンティーが置かれた。
店員が戻って言ってから、晴樹がまず口を開いた。
「今日はコーヒーじゃないんだ。珍しいね、レモンティーなんて」
「うん、なんかさっぱりしたくて」
「そう・・で、さっそくだけど・・
どうして辞めるの?それも今日なんて、いくらなんでも急すぎるだろ。
日曜日、あんなことがあっての今日だからさ。なんでだよ?」
絞り出すような晴樹の声は、責めているようにも聞こえるが、
その気持ちもしっかりと受け止めなきゃ、と香澄は顔を上げた。
「私ね・・妊娠したの・・・」