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HOTEL・LOVE
第18章 突然告げられた別れ
やっと晴樹は声に出せた。
真剣に香澄は語った。自分もそれに応えなきゃ。
男として、人として。
晴樹は続けた。
「オレと香澄はこうして出会う運命だった。
でも結ばれる運命じゃなかったんだよ。
出会うのが遅すぎたとかそう言うのでもない。
単に違ったんだよ・・これで・・よかったんだ、きっと・・
傷つけあって恨み合って別れるんじゃない。
ほんの短い時間だったけど、恋する喜びをまた味わえた・・」
「うん・・ありがとう、杉山さん・・」
一粒の涙は止められなかった。
その後は、精いっぱいの笑顔を見せた。
「またどこかで・・会えるかもしれない。
もしかしたら職場復帰して、また杉山さんと一緒に働けるかもしれないし、
街でばったり会うかもしれない。
もう二度と会う事はないなんて、思わないから。
縁があればまたどこかで会えると思ってるから」
「そうだね・・」
晴樹は笑って見せた。
愛しい女を安心させるための、笑顔を見せた。