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HOTEL・LOVE
第18章 突然告げられた別れ
お腹に手を当てゆっくりとさする。
その仕草は晴樹の目の前をぼんやりと流れた。
「まさか・・って思った。
もう彼との子はあきらめていたから・・もしかしたら杉山さんの・・
だけどもしそうだったら・・
考えたら足は震えてきた。でも・・
主人の子よ・・」
なにも、一言も言えずに黙ったまま、晴樹は視線を落とした。
ここでおめでとうって言わなかったら人でなしだぞ、
そんなふうに自分に言い聞かせたけど、声がでない・・
「私ね、思ったの。
この突然の別れは、神様が私たち2人にとって
もっとも幸せな方法を選んでくれたんだって。
たった一度のはかない恋・・綺麗な思い出にしてくれた・・
もちろん、一度だからいいってわけじゃない・・だけど・・
互いを傷つけたりせずに終われるんだもの・・
せめて思い出として大切に心にしまいたい・・
こういうの、運命の悪戯っていうのかしらね・・」
「イタズラじゃないよ。定め、だったんだよ。
オレの人生の、香澄の人生の・・きっとそうだ・・」