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HOTEL・LOVE
第4章 ホテルの中でうごめく・・

今日も無事一日を終えた。


道具を片付け更衣室に入る前に

晴樹に声をかけた。



「お疲れ様でした。

 疲れたでしょう?

 今夜は早くに寝ないと、明日もお仕事でしょ?」



ほんとうは、土曜まで会えないね、なんて

思わせぶりな台詞を言ってみようかと思ったが、

あんまり度が過ぎるのはよくない。

なんたってまだ会って2日目なのだから。


香澄の気遣いに晴樹の方も

気の疲れがまぎれた。

体の疲れはずっしりと腰に残っているが、

短いけれどピンポイントな香澄の言葉が

体の痛みをも軽減してくれたように思う。



「ありがとうございました。

 2日間、笹木さんの足手まといになっちゃったけど・・」



晴樹もまた、

続きの言葉を飲み込んだ。


最初からとばして接近しようなんて、

しくじったら大変だ・・

慎重に、時間を重ねて近づいていこう。

1人の男の本音をぐっと飲み込んだ。



2人とも、男として女としてのなにかしら、を

抱えながら、

それぞれの更衣室へと消えていく。

次に会う土曜日まで

なにを想いながら

なにを待ちながら過ごすのだろう・・・


それぞれが自分だけ、

だと思っているが、

ラブホテルの中で芽吹いた小さな芽が、

やがてすくすくと育っていくことになるとは、

この時の2人は

知るはずもなかった・・・

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