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HOTEL・LOVE
第5章 香澄の揺れ
テレビの中の人気主婦コメンテーターが
バカにしているような鼻にかけた声音で
まくしたてる。
「世の中には平気で不倫しちゃう主婦が
わりといるんですよねぇ!
夫はお仕事妻は浮気!
優しい旦那様とかわいい子供がいて、
なのに満たされないなんて言っちゃって!
なぁにが不満なんでしょうねぇ?
そうそう、私の友人が
ラブホテルでお掃除のパートしてるんだけど
昼間は多いんですってよ、不倫カップル!」
休みの今日、午前中に家事を済ませ
昼下がりのワイドショーを見ながら
香澄は久しぶりのクッキーづくりに励んでいる。
亮太は香澄の作るクッキーが好物だ。
市販のクッキーやビスケットは食べないが、
香澄の作るものは喜んで食べてくれる。
だがここ最近は、
まったくと言っていいほど作っていない。
そんな気は失せた・・というのが正直なところだ。
亮太とのセックスに
もの足りなさを感じるようになった頃から、
お菓子作りにも物足りなさを覚えた。
ではなぜまたその気になったのか・・
それはきっと・・
気持ちに弾みがついているから。