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HOTEL・LOVE
第5章 香澄の揺れ
相変わらずテレビの中では
主婦の不倫の討論会。
こっちだって見てるよ、仕事行くたびにさぁ
そういうカップル・・
でも人のことなんだからさぁ・・
いい歳した大人がわかってやってんだからさぁ、
もうそんなことどうでもいいじゃない、と
香澄はチャンネルを変えた。
・・やるヤツは
平気でやってんだからさ・・
そう呟いた。
なんで肯定するように言ったのか、
香澄自身もよくわからなかった。
チン・・
レンジの音がした。
香澄ご自慢のクッキーの焼きあがり。
たくさん作ったから
明日職場に持っていってみんなにも食べてもらおう。
かわいいからと取っておいた大きなジャムの瓶に
クッキーを詰めた。
これをいつか
杉山さんにも食べさせたいな・・
香ばしく焼き上がったクッキーを見つめた。