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HOTEL・LOVE
第7章 縮まる距離
休憩の後は体にも気持ちにもゆとりがでる。
ご飯を食べれば力もでる。
階段を上る足取りも軽くなる。
それでも息を切らす香澄を振り返り、晴樹は微笑む。
香澄も見上げて微笑む。
こんな表情、他の誰かに見られたら
さっそく怪しまれるかも・・
お得意の小さな妄想を抱きながら階段を登り切り、
廊下の角を曲がろうとした時、
なにか聞えた。
ああ、いつものやつ・・・
香澄にはすぐにわかった。
セックスの最中の・・あの声。
立ち止った横の部屋から聞こえてくる。
晴樹は、ん?と顔をしかめている。
なんだろう?と言った顔つき。
まだピンときていない。
あの声だと気がついていないようだ。
「あの・・
なんか聞こえません?なに?」