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HOTEL・LOVE
第7章 縮まる距離
「そりゃそうですよ、新人さんだもん。
それに私にも新人教育っていう
使命がありますからね。
私も勉強させてもらってるんだもん」
あらためて褒められると、照れくさい。
恥ずかしさをごまかすように、
晴樹の弁当を覗き込む。
今日はタコさんはいないの?とからかってみる。
見ないでよぉ、と晴樹は体を反らして
弁当箱を遠ざける。
こんなにも自然に会話が流れるなんて、
私たちは気が合っているのかな、と
香澄は目を細める。
職場での、
仕事仲間とのたわいもないやり取り。
それが特別なものになったら・・
ちょっとした妄想を抱き始めた。
もしもその妄想が現実味をおびたら
大変な事になるかもしれない・・
心の片隅で少しは気づいているのに
その妄想を止めることはできなかった。