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HOTEL・LOVE
第7章 縮まる距離
きっと、
よからぬことだから言えないんだ・・
悪い事、じゃなくてイヤラシイ事・・
勝手に解釈して
晴樹もそれ以上を聞かなかった。
「そのうち教えてあげるわ。
もっと杉山さんとうちとけてから、ね。
いっぺんにしゃべっちゃったらオモシロくないでしょ?」
聞かないと、女はかえってしゃべりたがる。
別に企んだわけじゃないけど、
結果的にはそうなったようだ。
晴樹はニヤリと笑った。
「じゃあ・・楽しみにしてますよ。
笹木さんと今以上に
打ち解けられるのを・・
それまでのお楽しみってやつだね」
晴樹は掃除機のスイッチを入れた。
轟音に紛れて聞こえないだろうと、
もっと仲良くなりたいよ、とつぶやいた。
下を向き、床にむかって口を動かしたのに
その横顔を香澄は見ていた。
掃除機の音の中から
そのつぶやきを拾い取った。
私も・・
晴樹の横顔を熱い目で見つめた。