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HOTEL・LOVE
第1章 始まりは・・ホテル・コパカバーナ
・・やだ、もう・・
節操がないのは部屋の造りじゃなくて
私の下半身かよ・・
嘔吐するように
こらえられなかった笑いが吹き出し、
こりゃしょうがない、と
晴樹に突然笑ったことを謝った。
「新人さんの前で・・お恥ずかしい!
でもふざけてるわけじゃないのよ。
こんな素敵な男性に
マンツーマンでレッスンできるなんて
嬉しくって舞い上がっちゃってるの」
もう包み隠さず本音を言おう。
そのほうがかえって自然かもしれない。
素敵なものを素敵だって言ってどこが悪い。
それくらいの開き直りがある方が、
言われた本人も受け止めやすいだろう。
でもちょっと反応が心配で
控えめに控えめに視線を送ると、
その先の晴樹の瞳は
明らかに笑っていた。
くしゃっと顔をたるませて。
「ありがとうございます!オレも・・
笹木さんみたいな美人と一緒に働けるなんて、
嬉しくって舞い上がっちゃってますよ」
互いに顔を見合わせ
次の瞬間、
ドアの隙間から廊下に漏れ出るくらいの
笑い声をあげてしまった。
さすがにヤバい、と香澄は
息を弾ませながらシーッと
唇に人差し指をあてる。
・・なんだか、楽しくなりそう・・
おもしろみのない毎日から
私を引っ張り出してくれそう・・
メモる晴樹の横顔と、
そこにかかるさらりとした髪を
見つめた。