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HOTEL・LOVE
第9章 さらに縮まる距離



土曜日ということもあって

店の中は混雑していた。

だが運よく、席が空いた。


香澄にむかって、

オレが買ってくるから座ってて、と席に残し

晴樹はレジにむかった。



戻ってきた彼の手にするプレートには

コーヒーカップ2つとドーナツ3個がのった皿が

乗せられている。



「いやぁだ、杉山さん2個食い?

 おうちに帰ったらごはん食べられなくなっちゃうわよ」



まるで世話焼き女房のような口調で

晴樹の前に笑顔を突き出した。



「この仕事って結構体力使うじゃない?

 糖分補給しないと体動かないって感じ」



大きく肩をまわしてから

まず一つ目のドーナツに手を伸ばした。



「普段はこうやって帰りに

 お茶とかすることってあるの?

 女性は好きだもんね」



そう質問を投げかけてから

晴樹はガブリと

ドーナツにかじりついた。




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