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HOTEL・LOVE
第9章 さらに縮まる距離
言った通り
30分ほどで席を立った。
駅の改札を通り抜けてから
2人は別れた。
それぞれの乗る電車のホームへと向かう。
隣りのホームに晴樹の姿が見えた。
視線を送り続けると
晴樹が気がつき手を振ってくれた。
香澄も振り返そうと大きく手を動かした瞬間
目の前に滑り込んできた電車にさえぎられた。
・・あ~あ、見えなくなっちゃった・・
押し込まれるようにして乗った電車がすぐ動き出す。
彼の立っているホームが遠ざかり
やがてうっすらとオレンジに染まった夕暮れの空が
窓の外に広がった。