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HOTEL・LOVE
第11章 求める理由

「みんな・・

 平気でやってんのよ、不倫」



耳に熱い息を感じられるくらいの近さで

香澄の囁きが聞こえた。

ビクンと勝手に体が動いた。


声音だけじゃない。

その目つきさえ、いつものかわいらしさを見せない

鋭いものになっている香澄に、

反撃の色を少し見せた。



「でも実際本人に確認したわけじゃないでしょ?

 だったらそうとは言いきれないんじゃないの?

 そう簡単に決めつけるのもどうかと・・」


「でも・・やってたじゃない、会社の人」



晴樹はグッと唾をのみこんだ。

背筋を伸ばし、膝の上の掌を握りしめ、

焼き鳥を盛った皿を置いていったにいちゃんに

なんの反応もできないくらい、固まった。



「確かにね・・

 客に確認したわけじゃないわよ、

 オタクら不倫ですか?って。

 でもやましいとこがあると態度に出る・・

 これまで客と出くわすことを何度か繰り返しているうちに

 わかってくるの・・

 う~ん・・それでも絶対とは言えない、

 杉山さんの言うように・・」




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