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HOTEL・LOVE
第11章 求める理由
つくね、食べてもいい?
上目づかいに晴樹に笑いかける香澄の眼が
普段の色を取り戻していた。
なぜだかとてもホッとした。
「入って4日目にさ」
「うん」
「お客のあの声、聞いた時・・
笹木さんの顔見たら・・
すっかりなれっこって顔してたの
ちょっとびっくりしたんだ・・」
晴樹4日目にして客の喘ぎ声を聞く。
あの時か・・
香澄はすぐに思い出した。
自分はもう慣れてるけど
新人さんは驚いちゃうよね、と余裕の態度を見せたんだっけ。
「ああいうの何度も経験すると
なんにも感じなくなってくるのかなぁってさ」
晴樹はハツの串を手にしたまま
香澄の顔を覗き込んだ。
香澄はカワに手を伸ばす。
その串をじっと見つめてから晴樹に顔を向けた。
「うん、杉山さんの言うとおり。
もう感覚麻痺してくるって感じ。
ああまたか、ってね」
「へぇ・・そんなもん?
それじゃオレもそのうちそうなるのかなぁ」
「なるよ。
それに・・セックスって、男と女って、
こんなにも簡単に体に従えるんだなって、
関心もする・・」