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HOTEL・LOVE
第11章 求める理由
「えっ?そうなんだ・・」
「高校の時からの友達。
2人も子供いるのにさぁ。でも彼女いわく
その男を好きになっちゃったからって。
旦那を嫌いになったわけじゃなく
彼を好きになっちゃったからって
ケロッとして言うのよ」
酔いが香澄の目を潤ませる。
さっきはあんなに冷たい目だったのに・・
晴樹の中の秘密の想いがすこしづづ、
起き上がってくる。
自分も・・
この女の言うように
深く考えることなく女を感じてしまっている・・
香澄の意見を否定することは・・まずできないだろう・・
「私も・・一度くらいしてみたいかも」
その時、時間が止まったようだった。
騒々しい話し声も
ガチャガチャと鳴る食器の音も
なにもかもが晴樹の中から聞こえなくなった。
「冗談よ、冗談・・」
耳に触れるくらい、近かった。
彼女の息は・・熱かった。
「なんか・・ごめんね」
「なにが?」
「ぜんぜん慰めになってなかったね・・」
「そんなことないよ、嬉しかった、誘ってくれて。
ありがとう・・また、飲もうね」
寄り添うように座る2人の後ろは
相変わらずにぎやかな騒々しさにあふれていた。