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HOTEL・LOVE
第11章 求める理由


その夜香澄は無性にしたくなった。

晴樹に気持ちを寄り添わせていたら、

そしてえらそうに自論を語ったりしていたら

ポツンとあいた穴を埋めたくなった。


いや、これは自然な事なのだ。

夫を欲しいと求める自然な欲・・




香澄が帰宅してから1時間ほどして亮太が帰ってきた。

ちょっと飲んできたから風呂入って寝るよ、と

ご機嫌の亮太。

先にベッドに入って

風呂から上がってくるのを待った。



風呂上がりのポカポカしてと熱を放つ体が

布団の中に温もりをひろげる。

ねぇねぇ・・

久し振りに自分から甘えたのに

亮太は酔いが誘う眠りにそのまま連れていかれてしまった。


ひとり・・残された・・


いつもなら、そのまま自分も眠りにつこうとするが

今夜は・・違う。

体の中に波紋が広がっていく。

小さな不満という石が投げ込まれて作り出した、波紋・・


・・なによ、肝心な時に!・・役立たず!

杉山さん・・あなたなら・・ねぇ杉山さん・・・・


香澄の中で徐々に大きくなる、

欲望、願望、野望・・

私も・・

禁じられた敷居を・・跨いでみようか・・・


そっと

腿に手を這わせた。

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