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ふたりH
第3章 夏休み
少しして、希がリビングに入ってくる。

「じゃ、次は英語ね。」
「いや、俺は、保健のほうが…」
「あったっけ?」

個人的な保健が…
言ったら、爆発するだろうな。

「はいはい。英語ね。」

英語は、CDを聞きながら、書き写すだけだから、わりと早くに終わった。

「終わった~!でも、手がいてぇ!!」
「じゃ、マッサージしてあげる。貸して。」

希は、俺の右手を優しく揉んでくれた。柔らかくて、なんか、気持ちいい。

「お前、上手いな。」
「ん?まぁ、皆のやってるからね。」
「生徒会長が?」
「会長ったって、ずっと書き続けてる訳じゃないから。どう?」
「う、うん。ありがとう。」

俺は、妙にドキドキして、その後の課題が上の空で、希に怒られまくり。

「おっ、終わった~!!」
「たかが、2教科だけでしょ。」

希が、笑う。

「お前、笑ってる方が可愛いな。俺、お前が好きだ。」
「えっ?」

な、なに急に言い出すのよ。
おっ、俺、いま何言った?
静かな時間が流れる。

「おっ、俺…」
「ん?」
「腹減った。」
「あっ、お昼過ぎちゃったね。どうする?」
「マック食わせろ。」
「じゃ、行こっか。」
「あっ、ああっ。」

俺と希が、恋人同士の関係になるまで、そう時間はかからなかった。
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