この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
色絵
第2章 入門
黒い扉を押し開き、すぐさま入って閉める。
ここの住人も出入りを見られたくなさそうだし、
ワタシも奥さんの話を聞いた手前、
ここに出入りしていると知られないほうが良いと思ったからだ。
「素敵…」
思わず声に出るほど、お庭は素晴らしかった。
細い石畳の小路がくねくねと曲がっていて、お屋敷の入口は見えない。
門を入ったすぐのところに桜の木が両脇に植えられている。
その向こうに沢山の種類の薔薇が咲き乱れ、甘い香りを放っている。
路が曲がっていて見えないのだが、庭いっぱいに数々の花木が植えられていて、まるでお伽噺の世界に迷いこんだようだった。
思わず、足を進めたくなるが、言われた通りにとどまる。
ザラッ、ザラッ、
草履の独特な足音が聞こえ、家主の足元が草木の間から現れた。
紺の着物の裾が見える。
高齢なのだろうか。
そもそも、絵を教えてくれる人が男性か女性か、年齢がどのくらいかなど、全く考えていなかったと、この時思った。
ここの住人も出入りを見られたくなさそうだし、
ワタシも奥さんの話を聞いた手前、
ここに出入りしていると知られないほうが良いと思ったからだ。
「素敵…」
思わず声に出るほど、お庭は素晴らしかった。
細い石畳の小路がくねくねと曲がっていて、お屋敷の入口は見えない。
門を入ったすぐのところに桜の木が両脇に植えられている。
その向こうに沢山の種類の薔薇が咲き乱れ、甘い香りを放っている。
路が曲がっていて見えないのだが、庭いっぱいに数々の花木が植えられていて、まるでお伽噺の世界に迷いこんだようだった。
思わず、足を進めたくなるが、言われた通りにとどまる。
ザラッ、ザラッ、
草履の独特な足音が聞こえ、家主の足元が草木の間から現れた。
紺の着物の裾が見える。
高齢なのだろうか。
そもそも、絵を教えてくれる人が男性か女性か、年齢がどのくらいかなど、全く考えていなかったと、この時思った。