この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
色絵
第2章 入門
屋敷の入口にたどり着く。和風のお屋敷をイメージしていたが洋館だった。
「奥は日本家屋で手前は洋館なんですよ。
前の主は欲張りな方だったようですね。」
ワタシの考えを読み取ったように家主が話した。
カランカラン
銅の鋳物のベルがドアを開けると鳴った。
緊張より、お伽噺の絵本をめくるような、ドキドキワクワクした気分だった。
「どうぞ、」
家主が玄関の左の部屋に入るので後に続く。
天井から壁まで、全てが真っ白だ。
二十畳くらいの部屋で、アトリエというのか、家主の仕事場のようだ。
真ん中のテーブルに透明なガラスの花瓶に薔薇が一枝挿されていて、
手前にテーブルがあり、薔薇が描かれている途中だった。
ガラスの花瓶は描かずに、薔薇の枝葉からが描かれていた。
まだ枝葉の一部が塗られているだけで、花は輪郭が描かれているだけだったが、
「綺麗」
思わず声に出る。
「色を作ったら一気に仕上げたいのでね。
申し訳ないけど、枝葉の色付けが終わるまで、
ここで見ていてもらえませんか…」
家主がテーブルより少し下がったところに、椅子を出してくれた。
「奥は日本家屋で手前は洋館なんですよ。
前の主は欲張りな方だったようですね。」
ワタシの考えを読み取ったように家主が話した。
カランカラン
銅の鋳物のベルがドアを開けると鳴った。
緊張より、お伽噺の絵本をめくるような、ドキドキワクワクした気分だった。
「どうぞ、」
家主が玄関の左の部屋に入るので後に続く。
天井から壁まで、全てが真っ白だ。
二十畳くらいの部屋で、アトリエというのか、家主の仕事場のようだ。
真ん中のテーブルに透明なガラスの花瓶に薔薇が一枝挿されていて、
手前にテーブルがあり、薔薇が描かれている途中だった。
ガラスの花瓶は描かずに、薔薇の枝葉からが描かれていた。
まだ枝葉の一部が塗られているだけで、花は輪郭が描かれているだけだったが、
「綺麗」
思わず声に出る。
「色を作ったら一気に仕上げたいのでね。
申し訳ないけど、枝葉の色付けが終わるまで、
ここで見ていてもらえませんか…」
家主がテーブルより少し下がったところに、椅子を出してくれた。