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色絵
第2章 入門
「あっ、芍薬ですね。」
「まだ蕾しかついていないのによくわかりますね。」
「少し生け花を習っていたことがあって、花は好きなんです。」
「それは頼もしい。」
頼もしい…何故…
ワタシは何と答えたらよいか判らなかった。
「花を描くときに、上手に生けられなくてね。
つい、一種類の花を描くようになってしまう。
生けてくれる人がいたらいいなと思っていたのです。」
いきなり必要とされるのは嬉しい。
門をくぐるまでは、塀の威圧感から戸惑いもあったけど、訪れて良かった。
「あの…もしかしてこのお庭、路に沿って順番に花が咲くように植えられているのでは?」
「そうですよ、さすが、よくわかりましたね。」
屋敷までの路は、あえてくねくねと曲がり、庭木を全て愛でながら歩けるようになっている。
桜で始まり、今が12月の椿、梅、桃、コブシの木が続いていた。
木の根元に同じ時季に咲く草花が植えられていた。
「一年中素敵なんでしょうね。」
「そうですよ、それが気に入って、ここに住んだのですから…」
何で黒塀で塞いでしまったのだろうか、
外との関わりを持ちたくなさそうな家主の様子はわかるがもったいない。
「まだ蕾しかついていないのによくわかりますね。」
「少し生け花を習っていたことがあって、花は好きなんです。」
「それは頼もしい。」
頼もしい…何故…
ワタシは何と答えたらよいか判らなかった。
「花を描くときに、上手に生けられなくてね。
つい、一種類の花を描くようになってしまう。
生けてくれる人がいたらいいなと思っていたのです。」
いきなり必要とされるのは嬉しい。
門をくぐるまでは、塀の威圧感から戸惑いもあったけど、訪れて良かった。
「あの…もしかしてこのお庭、路に沿って順番に花が咲くように植えられているのでは?」
「そうですよ、さすが、よくわかりましたね。」
屋敷までの路は、あえてくねくねと曲がり、庭木を全て愛でながら歩けるようになっている。
桜で始まり、今が12月の椿、梅、桃、コブシの木が続いていた。
木の根元に同じ時季に咲く草花が植えられていた。
「一年中素敵なんでしょうね。」
「そうですよ、それが気に入って、ここに住んだのですから…」
何で黒塀で塞いでしまったのだろうか、
外との関わりを持ちたくなさそうな家主の様子はわかるがもったいない。