この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
色絵
第9章 猫
「どうして貴女が涙するのですか。」

先生の指が、ワタシの頬を優しく拭う。

あ、ワタシ泣いてしまったんだ。

沙織さんを思ってか、自分の惨めさからか、理由などわからなかった。

「僕はね。貴女と出逢えて幸せなんですよ。
沙織を忘れることは出来ない。
でも、沙織を愛することも、もう出来ないんです。

貴女は、水仙のようだと話したことがありましたね。沙絵との生活の中で、全く予期せずに貴女が現れて、僕の冷えた心を溶かしてくれたんです。

沙絵のこと隠していましたけど、貴女に愛してると言った気持ちは偽りではありません。

ただ…」


「先生?」

「僕は手に入れられない女性と巡り逢ってしまうという運命からは、逃れられないようですね。」

先生は寂しそうな笑みでおっしゃった。
先生、ワタシも先生とずっと一緒に居たい。
想いははっきりしているのに、それを言葉にすることが出来なかった。



「だいぶ長話になってしまいましたね。
今日はもう帰った方がよいでしょう。

もし、良ければ明日もいらしてください。
沙絵をきちんと紹介します。」


何も言えなくなってしまったワタシの手をとり、先生は玄関まで見送ってくださった。

「失礼します。」

ありきたりの挨拶をしてワタシは屋敷を後にした。
/370ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ