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色絵
第9章 猫
帯を押し上げるほど反り返ってしまった自身が痛い。そして興奮のあまり着物にしっかりと染みが出来ていた。

背中の縄目にロープを通し上体が水平になるように吊る。
頭に被せた袋を外し、顎を布で吊り正面を向かせる。

貴女は目を開けたまま意識を飛ばし、口から涎を垂らしていた。

そっと口づけても全く反応がない。

このだらしない表情を美しいと思う僕は異常だろうが、これが僕なのだ。

高校生の時、祖父の隠し持つ宝を見つけたあの日。
沙織とのsexがままごとのように感じた。

体に施す芸術。
女体をキャンバスに縄で彩る陶芸。

それに高まる女の体。好きに縛って思いのままになぶる男。

芸術とsexの両方の極みを追求したいと決意した。

宝を見つけた時、その場で手も使わずに射精してしまった記憶は一生忘れない。
それから、自分の手足や枕や布団で縛り方の研究をし、時にはそういう店で実践した。

沙織に施すことはしなかった。自分の性癖を拒絶されたらと思ったか、沙織がそれを好まないと思ったか…

一度も試すことなく沙織は居なくなった。
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