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色絵
第11章 無花果
シーツを被り、思い起こす。

何が行われていたのか…

口淫?
先生の余裕のない声から、きっとそうだろう。

sexは、10歳の子と?

もう気が狂いそうだった。

沙絵さんは、沙織さんと呼んで良いと言っていた。

先生が沙絵さんに沙織さんを重ねて愛してることを知っていて、それでも良いからと先生を欲しているのだ。

きっと先生は、小さい頃から沙絵さんを、沙織さんの身代わりとして愛し、育てていたのだろう。


普段は二人は親子でなく、名前で呼びあう恋人なのだ。二周りも年が離れているのに、沙絵さんを一人の女性として愛していて、沙絵さんも対等なのだ。

あの大人びた佇まい。さっきの先生をほだす大人の会話。

光 源氏…幼女を自分好みの女性に育てあげる。
もう沙絵さんは完成に近い。

愛しい人の生き写しで、自分好みに育てた女性。
彼女は外の世界を知らず、真っ直ぐな愛と欲を自分に向ける。


たぶん二人はそんな間柄なんだ。


実はワタシは先生の名を知らない。さっき、最後が『う』だと初めて知った。

特に自己紹介をすることなく、互いの名を知らないままだ。

先生、貴方は誰?
先生、ワタシは何?

互いに名も知らず愛している?
可笑しくてワタシは涙を溢しながら笑った。
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