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色絵
第11章 無花果
どうしよう、どうすればいい?

きっと二人はワタシに気付かれたと知らない。

このまま帰ろうか…知らないフリをすればいい?

居ても立っても居られなくなり、ワタシは起き上がりベッドの端に腰掛けた。

コンコン…

こんなタイミングでノックされる。

「はい。」

「もう起きてましたか、一人にして申し訳ない。」

…沙絵と沙織と愛し合っていて申し訳ないの間違いでしょう…

心が割れて、冷たい言葉を生む。

「良く眠っていましたね。」

…僕はおかげでたっぷり愛し合えましたよ…

先生が隣に座りワタシの髪を撫でる。

…沙絵さんをそうやってさっきまで撫でていた手で…

そうだ。きっと沙絵さんとは最後までしていない。さすがに、10歳の体にそんなことは出来ない。
ワタシは溜まる欲の捌け口。口淫で満たされない欲の捌け口なんだ。


先生が優しく抱き締めてくるが、ワタシは揺れていた。
ついさっきまでは、それだけで体を震わせて喜び、心まで温かくなったのに、どうしていいか、わからなくなっていた。

「まだ疲れていますか?」

先生が心配そうにワタシを覗きながら、唇の端に、キスを落としてくる。

欲しい。躾られた体が無情にも欲を求める。
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