この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
色絵
第11章 無花果
帰ってから、眠気と怠さで食事もせずに休む。
もう先生とのことを考える気力もなかった。
朝顔を題材にレッスンをする。花の色づけが終われば完成。
鉢植えを持ち帰るように言われていたが、たぶん持ち帰らない。
きっとこれが最後の絵になる。そう思って一つずつ色をつけていく。
先生が参考になる絵があるからと、作品の保管部屋に探しに行かれた。
あの部屋の扉も神経質なほど必ず閉める。
先生の作品を見たいと頼んでも、中には入れてもらえない。
今までは何とも思っていなかったのに、今は何か秘密があるのではと、疑い深くなっていた。
コンコン
「お父様…、お父様…」
沙絵さんがアトリエをノックする。奥の部屋をノックする。
「先生、沙絵さんが呼んでます。」
病弱と聞いているから心配で、扉を強く叩く。
ガチャッ…
「先生っ…沙絵さんがっ」
先生も慌てて、アトリエを出ていく。
二人で奥に向かう足音がして静かになる。
ワタシの目の前には、閉ざされていた禁断の扉が大きく開かれたままになっていた。
もう先生とのことを考える気力もなかった。
朝顔を題材にレッスンをする。花の色づけが終われば完成。
鉢植えを持ち帰るように言われていたが、たぶん持ち帰らない。
きっとこれが最後の絵になる。そう思って一つずつ色をつけていく。
先生が参考になる絵があるからと、作品の保管部屋に探しに行かれた。
あの部屋の扉も神経質なほど必ず閉める。
先生の作品を見たいと頼んでも、中には入れてもらえない。
今までは何とも思っていなかったのに、今は何か秘密があるのではと、疑い深くなっていた。
コンコン
「お父様…、お父様…」
沙絵さんがアトリエをノックする。奥の部屋をノックする。
「先生、沙絵さんが呼んでます。」
病弱と聞いているから心配で、扉を強く叩く。
ガチャッ…
「先生っ…沙絵さんがっ」
先生も慌てて、アトリエを出ていく。
二人で奥に向かう足音がして静かになる。
ワタシの目の前には、閉ざされていた禁断の扉が大きく開かれたままになっていた。