この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
色絵
第2章 入門
先生が振り向いて笑顔でいるのでホッとする。
「命にはね、限りがあるんですよ…
だから華がある。
その素晴らしさや美しさをとどめておきたくて筆をとるんです。
だからね、今が大事なんですよ。」
諭されるように話されて、ワタシは黙って頷いた。
ワタシの華は何時なんだろう。過ぎてしまったのか、これからなのか…
「奥さん…
人間には、一瞬の華の時期なんてないですよ?
いつもが華…
今が大事なんです。
それに奥さん控えめで、物静かな方だから、
薔薇のようなくどい美しさではないですけど、
そうね、花に例えるなら…
水仙、寒い冬も、凛として花を咲かせるような…
美しさがありますよ。
僕には、その美しさが見えるんですけどね。
僕は薔薇より水仙の方が好きですね。」
慰めかお世辞か以前に、間接的に告白されたような言葉に、思わずまた立ち止まってしまう。
顔が真っ赤になってしまう。
「絵のこと以外となると、僕も口下手で、わけわからないこと言ってますね。
収拾つかないから、今日はこの辺にしますか…」
先生に促されて屋敷に戻る。
「命にはね、限りがあるんですよ…
だから華がある。
その素晴らしさや美しさをとどめておきたくて筆をとるんです。
だからね、今が大事なんですよ。」
諭されるように話されて、ワタシは黙って頷いた。
ワタシの華は何時なんだろう。過ぎてしまったのか、これからなのか…
「奥さん…
人間には、一瞬の華の時期なんてないですよ?
いつもが華…
今が大事なんです。
それに奥さん控えめで、物静かな方だから、
薔薇のようなくどい美しさではないですけど、
そうね、花に例えるなら…
水仙、寒い冬も、凛として花を咲かせるような…
美しさがありますよ。
僕には、その美しさが見えるんですけどね。
僕は薔薇より水仙の方が好きですね。」
慰めかお世辞か以前に、間接的に告白されたような言葉に、思わずまた立ち止まってしまう。
顔が真っ赤になってしまう。
「絵のこと以外となると、僕も口下手で、わけわからないこと言ってますね。
収拾つかないから、今日はこの辺にしますか…」
先生に促されて屋敷に戻る。