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色絵
第3章 デッサン
「どうぞ」
閉じたスケッチブックを渡される。
開けて見ると、ワタシの上半身や机や椅子が、二種類の方法で描かれていた。
全てが白の世界を明暗だけで描きあげられていて驚いた。
「先生、お花以外も描かれるんですね。」
「お花でしょう?」
冗談が好きなのもわかってきた。
「吸い込まれそうな襟足から項のラインを描きたかったんだけどね。
それだけじゃ時間が余ったから…」
「午後はりんごで同じことしますよ。」
一度着替えて、戻ってまた着替える。
家に戻っている間に考えた。先生にワタシの絵を描いて貰いたい。本物より命に満ちた絵を描く先生に…
午後アトリエに着いて一番に先生にお願いする。
先生は少し考えていた。
「モデルになりたいということですか?」
「そんな大それたことでなく、記念写真のように今のワタシを先生に描いて貰いたかったのですが、だめでしょうか…」
先生は部屋の中央にワタシを連れていく。
いつも、背にしている壁面にあるカーテンを開ける。
そこには等身大に近い着物姿の女性の絵が飾られていた。
閉じたスケッチブックを渡される。
開けて見ると、ワタシの上半身や机や椅子が、二種類の方法で描かれていた。
全てが白の世界を明暗だけで描きあげられていて驚いた。
「先生、お花以外も描かれるんですね。」
「お花でしょう?」
冗談が好きなのもわかってきた。
「吸い込まれそうな襟足から項のラインを描きたかったんだけどね。
それだけじゃ時間が余ったから…」
「午後はりんごで同じことしますよ。」
一度着替えて、戻ってまた着替える。
家に戻っている間に考えた。先生にワタシの絵を描いて貰いたい。本物より命に満ちた絵を描く先生に…
午後アトリエに着いて一番に先生にお願いする。
先生は少し考えていた。
「モデルになりたいということですか?」
「そんな大それたことでなく、記念写真のように今のワタシを先生に描いて貰いたかったのですが、だめでしょうか…」
先生は部屋の中央にワタシを連れていく。
いつも、背にしている壁面にあるカーテンを開ける。
そこには等身大に近い着物姿の女性の絵が飾られていた。