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【SS】目が覚めたら…?
第6章 【2000拍手突破感謝】Ⅰ.帝王の憂鬱
――波瑠、ぁぁん、波瑠……波瑠っ!!
愛おしげに呼んでくれるその名が、俺はたまらなく好きだ。
思いきり、心臓と腰にズドンとくる。
そのシズが、俺に抱かれてもねぇのに、うっとり顔で俺の偽者を呼び捨てなんて許せるか、おい。
そんな簡単に言えるのなら、まず俺様を普段から呼び捨てにしろよ。
自分のオトコのように、うっとりとして言えよ。
俺ばっかり夢中になっているのは、フェアじゃねぇだろ。
たまには、普段のシズからも……愛が欲しい。
だからあいつが俺様の名を呼んで、オナっていたのを見た時は、驚くと同時にすげぇ嬉しくてたまらなくなった。
俺様を見ていただけで濡らしていたのを知った時は、心臓がばくばくする程に気分が高揚した。
またオナってくれねぇか、またこの会えねぇ時間に濡らしていてくれねぇか……そんな希望抱いて仕事に励んでいた時に、第三の男の出現ってなんだよ。
「も~しーちゃんったらさ、Seasonの中でNatsuが一番なよなよして好きじゃないみたいで……最近は寝ても覚めても、Haruばっかり!! 寝言もHaru~なんだよ?」
ぴくり。
俺様のコメカミに青筋がたったようだ。
寝ても覚めても俺じゃねぇ男ばかり考えているって?
ナツがなんでシズの寝言を知っているのか……それはまぁいい。
だが俺に対して神経質な反応を見せているナツが、シズの口にした『ハル』を俺ではないと判断しているのだとしたら、それは間違いなく偽者の方を思ってシズが口にしているのだろう。
俺様の名前をお前に呼び捨てさせるまで、どれほどの年月を費やしたと思っているんだアホタレ。
俺が抱いた後にまた戻る『ハル兄』の呼称に、何度俺様ががっくりしてきたと思うんだ、コラ。
お前が可愛くなかったら、即座に崖から突き落としてやってるぞ、オイ。
俺様以外のハルは、そんな簡単にあっさり呼び捨てか。
夢に出てくるほどの仲か。
……ふーん。
その状況を、俺様が許すとでも?