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【SS】目が覚めたら…?
第6章 【2000拍手突破感謝】Ⅰ.帝王の憂鬱
 



「シズっ!!」


 俺はシズの唇を奪い、噛みつくようなキスをした。

 しっとりとした唇が俺の気を一瞬にして昂ぶらせるというのに、シズはいやいやと顔を横に振る。

 ちゅう好きが、俺を拒む。


「なんで嫌だ?」


 すっげぇ、気分悪い。


「え、だって……見られている気が……」

「俺様を見てればいいだろうが」


 シズの目が泳ぐようにして、俺を見ない。


「俺だけを見てろ」


 両頬を挟んで命令のようにそう放つと、シズの目がようやく俺に向いた。



 揺れる瞳――。


 そこには、俺の顔しか映っていない。


 そうだ。

 今、お前と俺は、ふたりきりだ――。



「ん……ふぅ……んっ」 


 シズの唇を割り、小さな舌に触れれば、いつものようにシズから甘い吐息が零れる。

 絡め合わせた時の、このぞくりとする艶めかしい感触がたまらねぇ。

 キスだけで、さらに俺が深みに溺れていくのをお前は知っているだろうか。たまらなく愛しくなるのを、お前はどこまで理解できているだろう。

 
「なぁ……シズ……」


 すべてを俺のものにしたい。


「俺を求めろよ……」


 俺だけを考えさせたい。

 俺だけをがむしゃらに求める女にさせたい。


 求められれば、俺はいつでもお前に俺をやる。

 求めなくても、やっているつもりだけれど……。


「ぁ、ぁあ……ん」


 扇情的な可愛い啼き声に、俺の呼吸が乱れる。

 もっともっと喘がせて、啼かせたい。

 淫らな女に変えていきたい。


 お前をよがらせているのは、俺様だ。

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