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【SS】目が覚めたら…?
第7章 【2000拍手突破感謝】Ⅱ.王子の憂鬱
 

「やばい、しーちゃんが誤解した」

「誤解ってなにをだ?」

「だから!! 僕と波瑠兄がイケナイ仲」

「はああああ!?」


 それじゃなくても会話が乏しい今、おかしなことで誤解しないでよ、しーちゃん。

 
「しーちゃん、しーちゃん、違うから。誤解だから!!」


 ドンドンドアを叩いてもしーちゃんは鍵を開けてくれない。

 鍵を閉められても開ける手段はあるのだけれど、僕達を弾こうとする意志が見られるだけに、強行突破は火に油を注ぐ気がした。


 やだ。

 しーちゃんとギスギスした関係のままいくのは。


 せっかくしーちゃんが目覚めたのに、寂しくて仕方が無いよ。


 これも全部……あいつらのせいだ。

 あいつら――Season!!


 だったら僕がしーちゃんを更正させよう。

 あんなおかしなアイドルなんかより、生身の僕達の方がよほどいいって。

 幻想を壊して、現実を見させてやる!!




 その夜――。

 しーちゃんがお風呂に入ったのを見計らい、僕はしーちゃんのベッドの中にこっそり待機。

 しーちゃんの甘い香り漂うベッド……。

 くんくんと匂いを嗅ぐだけで、たまらない。体が熱くなってくる。


 ああ、しーちゃんの下のお口に入りたい……。

 きっと熱くて潤ってて、きゅうきゅうしてて気持ちいいだろうな。


 もう何度も夢見ては叶わぬ願望を思い描けば、股間がすごいことに。


 だけどさすがにしーちゃんのベッドの中で、ひとりでシてるわけにはいかない。硬くそそり勃つものを自覚しながら、しーちゃんの帰りを待った。


 そしてしーちゃんが帰ってきて、ため息をついて布団をめくった。


「な、ナツ!?」


 ぎょっとしたような顔のしーちゃん。


「しーちゃんの、抱き枕になりにきました」


 うふふ、と笑って見せるとしーちゃんは微妙な顔をする。

 それでも構わず、僕は隣の場所をポンポンと叩く。


「こちらにどうぞ。そして僕を、思う存分抱きしめてください」


 両手を拡げて待っているのに、しーちゃんは来ない。

 
「Haruは……」


 ぴくっ。


 僕の頬肉が引き攣った。



「もっとふかふかで柔らかいもの。ナツはHaruの代わりなんて出来ない」


 綿が入ってもこもこのあの抱き枕に、僕は負けた……らしい。


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