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【SS】目が覚めたら…?
第7章 【2000拍手突破感謝】Ⅱ.王子の憂鬱
 
 

「マンネリって……どうすれば改善出来るのかな」

「オンナと付き合ったことのない俺に聞くなよ」

「僕だって付き合ったオンナはいないよ。僕よりサクラは頭がいいじゃないか。なにか知恵はない?」

「お前絶対人選間違えているって」

「僕にとって頼れる友達は、サクラしかいないんだ」


 そう頬を膨らませると、少しだけサクラは嬉しそうに微笑んだ。


「ちょっと待ってろ。ネットの意見を見てみよう」


 サクラは机の上のパソコンをつけて、キーボードを叩いた。


 検索キーワード、"マンネリ解消"。



 僕とサクラと共に、検索結果を映し出す画面を覗き込んだ。



「コスプレ、か……」

「気分を変えるってことだな」


 僕の頭の中には、えっちな場面がぽわわわんと浮かんでいる。

 マンネリ解消して、しーちゃんが激しく求めてくれたら……。


――ナツ、ナツ……っ、あたしの下のお口に、ナツの大きいのを……っ。



「ふふふ。どれがいいかな……コスプレ」


 ナース姿、婦警さん姿。

 ウェイトレス姿、体操着姿(ブルマ!)。


 セーラー服姿もいいね。


 着物姿は……初夢で堪能したし。


「ナツ、嬉しそうなところ悪いが、怒っているあのひとにどうやって着せるんだ? あのひとのハイテンションモードは正直、俺の手には負えない。興奮ならまだしも、怒りとなったらなにをしでかすか……」

「そうだよね……。波瑠兄にもがぶりだったから」

「波瑠さんにがぶり…。波瑠さんも手に負えないほど、野生化してるあのひとを、あのひとにめっきり弱いお前が懐柔出来るのか?」

「自信無い……。今は、僕が作ったご飯を食べに居間に来てくれるだけで、ありがたいくらいだもの。それ以外の交流ないし。サクラにも似た引きこもり」

「俺は別に引きこもりじゃ…」


 僕はがっくりと項垂れる。

 コスプレ、着て欲しいものは沢山あるのに、それを着てくれないと意味がなく。



「僕が着ようかな……」

「え?」

「ふわふわのもこもこ……きっと僕がコスすれば、しーちゃんは僕を抱きしめてくれるよ」


 しーちゃんの温もりが欲しい。

 僕は、しーちゃん欠乏症なんだ。


 僕は真剣に、画面を覗き込んだ。


 
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