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【SS】目が覚めたら…?
第8章 【2000拍手突破感謝】Ⅱ.執事の憂鬱
「相楽さん……」
ナツウサギが耳を垂らして、しくしくし始めた。
波瑠さんは眉間に皺を寄せたまま、難しい顔をして目を閉じていた。
この席以外は、賑わう店内。
そして俺は……どうしていいかわからずに見渡した店内の片隅に、サングラスをした怪しげな4人組を見つけた。
あれは……Seasonじゃないか?
休憩中なんだろうか。
無言でふたりに合図すれば、ふたりの顔は獲物を狩るような鋭さを秘めた。
俺達はそのまま、傍に居た店員に言って、席を……観葉植物が飾られた壁を挟んだ、4人組の隣の位置にして貰う。
観葉植物の間から、品が悪そうに見える4人組が見える。
俺達は、4人組……とりわけ、あのひとが夢中になっているというHaruのの素を知ろうと、皆で聞き耳を立てた。
「なぁ、またあのサガラ、ドームに来てるんだって? ここ1週間毎日だろ? 追い返された記憶がねぇ、ボケ老人か、あははははは!!」
下卑た笑いをしながら、椅子の背に両手を拡げて乗せているのが、髪の色からして多分Haruだ。
ネットや雑誌で受ける印象はまったくなく、粗野でがさつだ。
整形後の顔をさらにデジタル的に整形して、公に出しているのか。
このオトコの表の顔に、あのひとは騙されているのか。
ああ、あのひとをここに連れてきたかった。
すぐさま目が覚めただろうに。
「もうあいつマジウザイわ。能力のない奴が、音楽やろうなんて100万年早いんだよ。なぁ!! 俺様の方があんな平凡男よりすげぇから、Seasonはメジャーでビッグになったんだ。すべては俺様の力量。な!?」
他の3人は引き攣った顔での愛想笑い。
Haruのバックを恐れているのだろう。