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【SS】目が覚めたら…?
第8章 【2000拍手突破感謝】Ⅱ.執事の憂鬱
 

「あいつが、演奏するというから、わざとライブを入れて手回ししたんだ。元からゲリラっぽいの計画していたフリしてよ。ドームの運営の知り合いや区の担当者に金積んだらあっさりだったらしいぜ? くくく、あいつのバンドメンバーもまた引き抜いたし、動画も消させたし、いい加減凡人は凡人らしく音楽やめればいいのにさ」


 頭の悪い物言いだ。

 大物になったような気でいるこういう勘違い男が、俺は一番腹が立つ。


 内心憤慨する俺の横と向かいでは、びゅおおおおと凄まじい冷風が吹き荒んでいる。


 寒っ。

 暖房が付いている暖かな店内に、この兄弟、吹雪を呼んだか。

 そういえばここ最近は嵐だったな。



「……ナツ、今……"わざと"と聞こえたんだが」

「うん。言ってたよ、"わざと"だって。しかもメジャーでビッグで、"また"メンバー引き抜いたんだって」


 兄弟の顔が険しくなり、相楽は"わざと"にショックを受けて固まっている。


 そんなこちら事情知らずに、Haruの声が響いた。


「あいつなんざ、俺達の前座でもいただけねぇわ。身の程しらずっていう奴? ああいう勘違いオトコは、ぷちっと潰さねぇとな。ぷちっと。ぎゃははははは」



 ぶち、ぶちっ。

 ぷちっなんて可愛い音を超えて、なにかが切れる不穏すぎる音が、二度聞こえた。


 波瑠さんと、ナツだ。


「潰れた『風虎』出の、皮も剥けてねぇようなクソガキが、随分とした自信だなぁ、オイ」


 波瑠さんのバリトンの大きな声が店内に響き、店内が静まり返った。


「なにが"好き好き、ずっきゅん"だ?」

「くすくす…。山田権太だっけ? ずっきゅんの権ちゃんか。こんなのばれたら、すごく恥ずかしいよね。くすくすくす……」


 ナツが悪意を見せて、大きな声で笑う。


「……我が弟よ。どこもいじくっていない天然素材の現役モデルとして、ここまでの一連の感想を述べよ」


 ナツは冷たい表情で、親指を下に向けた。


「fuck off」


 "失せやがれ"


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